着物と浴衣の違いは?着物の種類なども紹介します!
成人式の振袖を選ぶうちに、着物自体に興味が出てきた人もきっとたくさんいますよね。日本の伝統衣装ですから、今後もなにかと着る機会があるはず。成人式で抱いた着物への興味、知識を深めておけば、これからももっと和装や着物姿を楽しむことができるかもしれません。
今回は、一番私たちになじみのある和装「浴衣」と「着物」の違いや、振袖をはじめとする着物の種類、知らなかった豆知識などをご紹介。さらに着物への関心が高まりますよ♪
着物と浴衣の違いとは?
■歴史
はるか弥生時代、女性は布の中央に穴をあけ、頭からすっぽりとかぶったワンピース風の「貫頭衣(かんとうい)」を着ていました。そこから時代に合わせてスカート風やツーピースのような衣類が登場して変化していった結果、平安~室町時代に現在の「着物」「浴衣」の基礎となる衣服が誕生したそうです。
ちなみに、奈良時代には「衣服の衿合わせは右前にしなさい」という命令も出されたとか。今でも残るこの和装ルールには、1500年を超える歴史があるんですね!
■起源
着物の原型は「小袖」という平安時代の下着です。当時の服装は小袖の上に袴を履き、着物を重ねた「十二単」でした。その後の室町時代にはもっと実用的な衣服が求められるようになり、小袖をベースとした着物へと変化していきます。そして、江戸時代に「着物+帯」のスタイルが確立されたと言われています。
そして浴衣は「湯帷子(ゆかたびら)」という入浴着が元になります。名前もそのまま残っているのが面白いですよね!湯帷子は湯上りにも着るようになり、その後は寝間着にもなっていきます。現在の浴衣のように、カジュアルな外出着として活用されはじめたのは江戸時代です。
※諸説あります。
■着用シーン
夏は裏地のない「単衣(ひとえ)」、冬は裏地のある「袷(あわせ)」を選ぶなど、着物は一年を通して着ることができます。着物の種類によってTPOは異なりますが、成人式や結婚式といったフォーマルな場面からカジュアルなお出かけまで、実は着用シーンをあまり選ばないのも着物の特長です。
浴衣は夏の風物詩。暑いシーズンに涼し気な雰囲気がよく映えますよね♪ただ、あまりフォーマルな場には適さないので、注意が必要です。和風旅館の館内着や日舞教室などの稽古着として、室内では一年中使うこともあります。
■主な素材
着物は正絹(シルク)、浴衣は綿が一般的です。特に着物の正絹はより格式の高い着物に用いられることが多く、つるりとした触り心地や気品あふれる光沢感が魅力のひとつ♪着物も浴衣にも汚れにくいポリエステル素材のものが登場し、取り扱いも簡単になってきています。
■着付け・着こなし
着物はインナーとして肌襦袢や長襦袢を着るのに対し、浴衣は下着の上から直接羽織るもの。コーディネートにも大きな差があって、着物には帯揚げや帯締めが必要ですが、浴衣は不要です。足袋+草履を履く着物と裸足+下駄の浴衣といった違いもあり、それぞれが独自の伝統をつないでいるのがよく分かりますね!
成人式とは?その由来や振袖を着る理由などを簡単に紹介します!知っておきたい!着物トリビア
基本的な着物・浴衣の特徴を知っていただいた後は、着物のトリビアをご紹介します!マナーとして、豆知識として、ぜひ知っておきましょう♪
世界で注目される「KIMONO」
各国で歴史的な伝統衣装はありますが、なかでも日本の着物は「KIMONO」とそのままの名称で知られる存在。世界中から愛される理由のひとつが、その華やかさにあります。
色鮮やかなカラーにトラディショナルな古典柄、刺繍などの精緻な技術、かんざしや草履など小物にまで行き届いた美しさ…どこをとってもクラシカルで艶やかな美にあふれています。
TPOに合った着物選びがマナー
着物は形状や色使い、柄の配置などによって十数種もの種類に分けられます(後述)。それぞれに「第一礼装」「準礼装」「盛装」といった格があり、結婚式ならこの格の着物、お茶会ならこの格…といったふさわしい着物が求められます。
選び方ひとつでマナー違反ともなりかねないので、注意したいですね。成人式に着る振袖は、未婚の女性が着るもっとも格式高い着物なんですよ。
美しい文様には意味がある
吉祥文様と呼ばれる縁起のいい柄を筆頭に、着物の柄には意味や願いが込められています。
たとえば松竹梅なら「生命の輝きと力強さ」、桜には「五穀豊穣を願い、新しい門出を祝う」、矢羽根は「魔を払う」、蝶は「立身出世」など。成人式の振袖を選ぶ際には、配色や好みに加えて、柄が持つ思いを意識してみてもいいですね!
知っておきたい!浴衣トリビア
同じ浴衣をスタイルチェンジして着こなす方法から夏の成人式情報まで、浴衣の新しい一面を発見できるかも!
遊び心を取り入れてお手軽にトレンドアップ
シンプルな着こなしも涼やかですが、浴衣ならではのカジュアルさ+着物のレトロ感を引き立てる個性派コーデも人気。
一般的に浴衣の着付けでは使わない半衿や帯締め、帯揚げ、足袋に草履を合わせた着物風コーデをはじめ、カンカン帽を被ったり、ふわっふわのレース帯を締めたりと、その印象をガラリと変えることもできるんです。
夏の成人式には浴衣で参加する人も
北海道や東北の一部地域では、雪深い1月を避けて、夏に成人式を行う自治体があります。そこでは、振袖で参加する人だけでなく、浴衣で参加する人もいるんだそうです。
「厳かな場にカジュアルな浴衣は…」という意見があるのも事実ですが、せっかくの成人式。あなたがカワイイと思うスタイルで過ごすのが一番ですよね♪
代表的な着物の種類と着用シーン
ご紹介したように、「着物」にはさまざまな種類があり、それぞれ最適な着用シーンがあります。代表的な11種類をまとめてみました!
■打掛(うちかけ)
結婚式で花嫁が着る婚礼衣装のひとつ。着物を帯で締めず、裾を引く優雅なスタイルが印象的ですよね!花嫁姿定番の「白無垢(しろむく)」は白色の打掛。
さまざまな色柄が豪華に施された「色打掛」もあります。
■黒紋付(くろもんつき)
弔事の際に着る黒紋付は、いわゆる喪服のこと。黒一色の生地に胸元2カ所、袖2カ所、背中と、計5つの紋が入っています。帯は真っ黒な黒喪帯(くろもおび)を使用します。
■黒留袖(くろとめそで)
既婚女性の第一礼装。結婚式では新郎新婦の母親や仲人の女性が着用するなど、主に慶事で見かけます。黒色の生地で胸元、袖、背中に5つの紋が入るのは黒紋付と同じですが、裾部分に「絵羽模様」という、広げると一枚絵になる柄が描かれています。金糸や銀糸を使った豪華な帯が美しく映えます。
■振袖(ふりそで)
未婚女性の第一礼装。振袖の長さによって大振袖・中振袖・小振袖の3種類があり、成人式でよく着られているのは中振袖。卒業式の袴スタイルに合わせているのは小振袖です。
■色留袖(いろとめそで)
絵柄の配置などは黒留袖同様で、黒以外の生地色のものを「色留袖」といいます。施した紋の数によって格の高さが変わり、5つ紋だと第一礼装、3つ紋、1つ紋は準礼装となります。既婚・未婚を問わず着ることができます。
■訪問着(ほうもんぎ)
胸元、裾部分に絵羽模様が描かれた着物です。3つ紋や1つ紋を入れると準礼装になりますし、食事会などカジュアルなシーンでも活用できる、あると便利な一枚です。
■付け下げ(つけさげ)
豪華な絵柄が多い訪問着に対し、控えめでさりげない絵柄のものを「付け下げ」といいます。着物自体の絵柄がシンプルなので帯のデザインが引き立ち、さまざまなコーディネートが楽しめると人気です。
■色無地(いろむじ)
名前のとおり、柄のない無地の着物です。普段の外出着としてはもちろん、1つ紋が入っていると子どもの卒業式や入学式、七五三といったイベント時にも着用できます。
■小紋(こもん)
普段使い用のなかでも、着物全体に文様が描かれているものを指します。カジュアル着ですが、着物の華やかさや優美さが楽しめますね。柄には大きく分けて3種類あり、細かい装飾の「江戸小紋」、文様が大きな「京小紋」「加賀小紋」があります。
■紬(つむぎ)
一般的な着物は生地を染めたり刺繍をしたりして装飾しますが、「紬」は染めた糸を織って模様を描いています。その伝統技術は国の重要無形文化財にも指定されているほどなんです。
■浴衣(ゆかた)
最もカジュアルな着物。夏祭りや花火大会などで着る機会が多く、現在の私たちの生活に一番近く、一番なじみのある着物です。
写真スタジオは前撮り撮影だけでもOK!振袖姿は必ず残しておこう着物を着る機会をつくろう
今ではなかなか着るチャンスがない着物ですが、歴史や格式について知ると「もっと着てみたい!」という思いが出てくるのではないでしょうか。そのチャンスは絶対に逃さないで!
七五三での着物姿、夏祭りに着た浴衣、成人式の振袖など、あなたの大切な着物姿を写真に撮って残しておきましょう♪
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