着物と袴の違いは？卒業式の袴に成人式の振袖を合わせるのもアリ！
卒業式の定番の衣装である袴と着物。「ステキな袴姿で参列したい」「成人式に仕立てた振袖を卒業式にも着たい」と考えている方も多いのでは。
そこで今回は、和装の基礎知識を中心に解説します。着物と袴のコーディネートや注意点など、よくある疑問についてもクリアになる内容です。基本的な知識を押さえて、思い描くスタイルで節目の日を迎えましょう。
着物の疑問｜着物と袴の違いと着物の種類は？
着物には種類があり、着用シーンも異なります。袴も着物の一種ですが、いくつかのタイプに分かれておりTPOに合わせて選ぶことが大切です。ここからは、着物全般の種類を紹介します。まずは和装の基本としてチェックしておきましょう。
和装全般を指す「着物」
一般的に「着物」と聞くと、胸元に合わせのある長着を想像することが多いでしょう。和装における着物とは、袴や羽織、振袖、留袖、訪問着、浴衣などを含めた和服全般を指します。
明治時代以降、日本では西洋の文化とともに洋装が広く浸透していきました。それまでは「着物」は「着るもの」、つまり衣服全般のことを指していましたが、洋服との区別をつけるために、着物を和装に対して使うようになった、といわれています。
現代では和装ならば全て着物と呼んで構いません。着用シーンによっては着物と浴衣、着物と袴などと区別することもあります。
袴とは
袴は長着の着物の上から下半身につけるものです。洋服でいうところのズボンにあたり、袴を着用しているときは「袴姿」といいます。
袴の歴史は古く、古墳時代から身につけられていたともいわれ、長い時代を経てさまざまな形の袴が作られてきました。
・行灯袴（あんどんばかま）
明治時代頃に誕生した、比較的新しいスカート状の袴のこと。現代では最も広く着用されている形です。卒業式をはじめとした式典や座禅着などにも用いられています。
・馬乗袴（うまのりばかま）
中央に仕切りがあるズボンタイプで、かつては武士に愛用されていました。現代では結婚式の礼装、剣道や合気道などのスポーツ、巫女の衣装などに用いられています。
・襠有袴（まちありばかま）
馬乗袴と同じくズボンタイプの袴。やや浅めの作りになっており見た目は行灯袴のような形です。卒業式の袴として着用されることもあります。馬乗袴を襠有袴という場合もあるようです。
振袖とは
振袖は袖が長く仕立てられた袂（たもと）のある着物で、大人の未婚女性の第一礼装です。花嫁衣装、成人式や卒業式のほか、発表会や式典などへの出席などの際に着用します。
江戸時代頃から広まり、時代とともに徐々に袖丈が長くなっていったということです。長い袖で舞い、舞踏などをより美しく見せたり、かつては若い女性の病が多かったことから、厄払いの意味を込めたりしていたといわれます。
留袖・訪問着・浴衣とは
留袖は振袖よりも袖が短いスタイルで、既婚女性の第一礼装です。黒留袖と色留袖に分けられ、黒留袖は冠婚葬祭、その他のお祝いの席などには色留袖が選ばれています。
訪問着もお祝いのシーンでよく着用されますが、こちらはお宮参りや入学式、卒業式などにママや祖母が着用することが多い着物です。
浴衣は風通しのよい素材で仕立てられたカジュアルな着物です。夏祭りのお出かけのときや、旅館などに宿泊した際の部屋着として親しまれています。
着物の疑問｜卒業式に袴を着る意味や理由は？
卒業式に袴を着用する女子学生は多く、特に大学・短大などの卒業式では定番ともいえるでしょう。これには歴史的な背景が由来しているようです。
平安時代頃、宮廷の女性たちは十二単のひとつとして袴も身につけていました。この女官服は、明治期以降の女子学生服の元となっています。 着物と帯よりも動きやすい上、美しさと礼儀正しさも印象づけられる袴スタイルは、女性の学生服としての理想形として受け入れられました。
今では袴を学生服として身につけることはありませんが、こういった背景から、現代でも卒業式の礼装として袴が選ばれています。
着物の疑問｜卒業式の袴に成人式の振袖を合わせてもいい？
卒業式には袴を着たいけれど、成人式用に仕立てた振袖を着てもよいか気になっている方も多いのでは。着物の形や色柄が卒業式にもふさわしいものであれば、袴と合わせて着用して構いません。どのような着物ならば卒業式にも着られるのか、確認しておきましょう。
大振袖以外なら袴に合わせてもOK
大振袖とは袖丈が104cm以上、長いものでは120cmもある振袖のことです。身長に合わせて適正サイズを選びますが、通常大振袖の袖はくるぶし付近まできます。昔から日本の婚礼衣装として着用されてきた歴史があり、舞妓（まいこ）さんの衣装でもある大振袖は豪華な着物のひとつです。
動きにくい点もあり、袴と合わせる卒業式の衣装として大振袖が選ばれることはほとんどありません。
小振袖＋袴
袖丈が60cmから85cm程度の振袖を小振袖といいます。袖が短いため軽くて動きやすく、袴と合わせるとかわいらしい印象になるのが特徴です。
カジュアルにブーツと合わせてもステキな小振袖は、普段着の着物として愛用する方も多く、卒業式の衣装としても人気があります。大人っぽい上品さを目指すならば、甘すぎない色柄を選ぶとよいでしょう。淡い色の振袖にするときは、袴は深いえんじ色や紺色などにすると、コーディネートが引き締まります。
中振袖＋袴
中振袖は、大振袖と小振袖の中間、100cm前後の袖丈のもの。しなやかに揺れる袖の豪華さと動きやすさを備えており、成人式で着用される振袖の定番は中振袖です。成人式用に仕立てた振袖を卒業式のシーンでも着用する方は多く、袴と合わせたコーディネートも可能です。
大振袖よりも短いといってもそれなりの袖丈があるため、立ち振る舞いには注意しなければなりません。また振袖の豪華さを生かすために、袴は柄のないシンプルなものを選ぶのがコツです。
袴スタイルに欠かせない小物
振袖と袴に合わせる小物のコーディネートも大切です。漏れや不足がないように、チェックしておきましょう。
・下着
肌襦袢と長襦袢
・衿まわり
半衿、衿芯、伊達衿
・帯まわり
袴下帯、帯板、腰ひも（4本以上）、コーリンベルト、伊達締め、マジックベルト
・着付け小物
着物クリップ、補正パッドや補正用タオル
・所持品など
>髪飾りとバッグ、足袋、草履またはブーツ
足元のコーディネート
振袖には草履やぽっくりなどを合わせるのが定番ですが、袴スタイルならばブーツもよく似合います。ポイントは、どのようなイメージに仕上げたいか、ということ。
袴に草履を合わせると上品な印象になります。着物を着ていても着脱がしやすいメリットがあり、着崩れの心配がありません。また、どのような色柄の着物にも合う万能さも魅力です。
ブーツを合わせるとレトロでおしゃれな印象になります。草履と比較すると歩きやすく、ヒールがあるものを選べばスタイルアップもかなうでしょう。卒業式シーズンは足元が温かいこともメリットです。
着物の疑問｜袴に振袖を合わせるときのポイントは？
小物などの細部のおしゃれも大切ですが、全体的な印象はやはり振袖と袴の組み合わせで決まります。どのような雰囲気にしたいのか、どういった色柄が似合うのかなどイメージをふくらませるだけでなく、実際に合わせてみることも大切です。ここからは、コーディネートで押さえておきたいポイントを紹介します。
上品に仕上げるなら同系色
振袖と袴の色柄を同系色に合わせると、落ち着いた上品さと優しい印象に仕上がります。ピンクや赤系の振袖にえんじ色の袴、青や水色を基調とした振袖に紫を合わせる……などが具体例です。淡い色味にするか、深い色合いにするかでも印象はガラリと変わってきます。似合う色柄の組み合わせを探してみましょう。
個性を引き立てるなら反対色
例えば、振袖が緑ならば袴は赤系の色を、黄色やクリーム色の振袖には紫系の袴をというように、振袖と袴が反対色になるものを選ぶと、メリハリの効いたおしゃれな雰囲気に仕上がります。目を引く配色のため、振袖と袴、どちらも派手な柄物にするのではなく、袴は控えめな柄や無地にするとバランスがよくなります。
振袖の柄と袴の色を合わせてまとまり感アップ
振袖にあしらわれている柄の色と袴の色を合わせると、コーディネートにまとまりが出ます。振袖に花柄があるならば、花の色と袴の色を合わせる、振袖の文様と袴の色を合わせる、といったかたちです。振袖や袴の色合わせに迷ったときは、このような選び方もあると覚えておくとよいでしょう。ちぐはぐな印象になることを避けられます。
振袖の柄と袴の柄のバランスも考えて
最近はバラの花やハート、レースなどのモダンなモチーフがあしらわれた着物も人気です。モダン柄はおしゃれでかわいらしい印象ですが、合わせる袴の柄には気を付ける必要があります。
古典柄のモチーフのある袴とモダン柄の振袖のコーディネートは難しく、どこかアンバランスな印象になることも少なくありません。モダン柄の振袖を着るならば、袴は無地などのシンプルなものがおすすめです。かわいらしい印象のモダン柄の振袖には、刺しゅうのあしらわれた袴を合わせると、よりかれんな印象に仕上がります。
着物の疑問｜袴に振袖を合わせるときの注意点は？
イメージと実際に着てみた印象は違うことも多いもの。好みのスタイルだけで選ぶのではなく、自分のキャラクターに合っているか、という目線を持つこともポイントです。また、振袖と袴を着用するときは、いつも以上に所作に注意しなければなりません。コツを押さえて、より洗練された袴スタイルを目指しましょう。
袖丈に注意して
振袖の袖は長く、普段通りの振る舞いでは袖を引きずってしまう可能性があります。特に袖丈が長めの中振袖を選ぶときは、地面に触れないように注意しましょう。
階段を昇り降りするときは袖を腕にかけたり、いすに着席するときは袂を重ねて膝に置くようにしたりすると袖を汚さずに済みます。車の乗り降りをする際も袖を軽くたたみ、片手で押さえておきましょう。
身長とのバランスも考慮して
身長とのバランスをとることも美しく着物を着るコツです。例えば背が低めの方ならば小振袖のほうがまとまりやすく、引きずる心配もありません。中振袖とブーツを合わせてスタイルアップするという方法もよいでしょう。
背の高い方は、中振袖を着るとスラっとした印象になります。しかしボリュームが出過ぎることを避けるため小振袖を選ぶ、という方もいます。最良のスタイルは個人によって変わるもの。色柄も含めじっくり選んでみましょう。
袴だけレンタルを利用することも可能
成人式で着用予定の、または着用した振袖を卒業式でも着用する場合は、袴のみのレンタル利用も可能です。手持ちの着物の色柄に合う袴を選びましょう。
レンタルは呉服店のほか、ネットショップでも可能です。袴のみのレンタルならば5,000円∼1万円程度の価格帯が多く、気軽に利用しやすいでしょう。振袖と袴、小物などフルセットの場合は5万円前後のものが人気です。
卒業式の袴も多数ラインアップ！着物撮影ならスタジオアリス
着物姿や袴姿はスナップ写真だけでなく、フォトスタジオで美しく残しておきましょう。スタジオアリスのカメラマンは、お客さまの大切な記念日を撮り続けてきたプロです。卒業祝いや成人式にふさわしいプランをさまざまご用意しておりますので、ご家族揃ってスタジオアリスにお越しください。
成人式・卒業袴の撮影もおまかせ！
スタジオアリスでは大人の仲間入りをする成人式、節目となる高校・大学卒業の記念にぴったりなプランをご用意しております。
「成人式コレクション」、「高校・大学卒業コレクション」は、振袖や袴を着た写真を残したい、前撮り撮影だけ衣装をレンタルしたいという方に最適なプランです。撮影衣装はスタジオアリスの豊富なラインアップからお選びいただき、撮影当日は手ぶらでご来店いただけます。
フォトコレクションやデザイン台紙をセットにしたコレクションは、ご予算に合わせて3万9,800円（税込4万3,780円）より、プランは3種類から選択可能です。
参考：『成人式・卒業袴』卒園・小学校卒業式記念にも袴スタイルがおすすめ
卒園・小学校卒業の記念写真もスタジオアリスにおまかせください。成人式用の着物を準備するにはまだまだ早い年ごろです。卒業式用の着物と袴をフルセットでご用意し、みなさまのご来店をお待ちしています。
スタジオ撮影だけにとどまらず、式典出席用の着物レンタルも可能です。お気軽にご相談ください。レンタル期間は、前撮り撮影~式の翌日より3日以内までと、ゆったりスケジュール。ご家族でセルフ写真を撮影する時間もとれます。
参考：『卒園・小学校卒業 フルセット袴レンタル』ご家族との和装写真が撮影できるプランも
節目のお祝いに、ご家族みなさま揃って和装で撮影ができるプランもご用意しております。「パパママ着物フォトプラン」は、スタジオアリスでお子さまの記念写真撮影をされるママパパだけの特別なプランです。
着物一式と当日の着付けはスタジオアリスにおまかせください。ママの美しい着物姿もパパの凛々しい袴姿も記念に残しましょう。混雑を避けた平日の撮影はさらにお得になります。
参考：『パパママ着物フォトプラン』まとめ
袴は古くから日本人に親しまれてきた装いです。現代は卒業式の衣装として定番となりました。成人式用に仕立てた振袖と袴を合わせてもOK。レンタルの利用は気軽さも魅力です。たくさんの組み合わせの中から、自分らしい衣装を見つけましょう。
スタジオアリスでは記念日を彩る着物や袴のレンタルと、思い出を写真に収めるスタジオ撮影をセットにしたプランを展開中です。着物まわりの小物や着付けの心配も不要、ご満足いただける1枚を残します。
参考：『WEB撮影予約サービス』
