着物にまつわる2つの「あわせ」とは?成人式前に知っておきたい豆知識
「成人式の振袖を選ぶ前に、着物について知っておきたい」という方もいるのではないでしょうか。着物にはさまざまなルールや独特の着物用語があり、なじみのないものも少なくありません。そのひとつが「あわせ」という言葉です。
この記事では、2つの「あわせ」とは何なのか、その意味や使い方を深掘りします。着物の知識が深まれば、振袖選びがますます楽しくなりますよ。
着物には2つの「あわせ」がある
着物について調べていると、独特の着物用語が出てきて混乱してしまった……という声も聞きます。「あわせ」という言葉もそのひとつです。
実は「あわせ」と発音する着物用語は2つあり、使い方も意味も全く異なるため注意が必要です。2つの「あわせ」の違いを整理しておきましょう。
「袷(あわせ)」は着物の仕立て方
袷(あわせ)とは、着物の仕立て方を表す言葉です。胴回りや裾、袖部分に裏地を付けて仕立てます。
着物を袷(あわせ)にすると、裏側の縫い目や縫いしろが隠れ、すべりもよくなるのが利点です。布が二重になっているため丈夫で、保温効果もあります。
袷(あわせ)は袖口や裾の裏地が少し見えるように仕上げられており、着物姿の雰囲気を左右するおしゃれポイントのひとつです。成人式用の振袖は袷(あわせ)がほとんどで、重厚感があり写真映えします。
「合わせ」は着付け用語
着付けの際に使われるのが「合わせ」という言葉です。正式には「前合わせ」と言います。
着物を着る場合には、左右の前身ごろを重ね合わせなければなりません。この手順が「前合わせ」です。
「前合わせ」という言葉は洋服にも使われますが、言葉の意味するものも着方も異なります。着物は前合わせに厳密なルールがあるため、自分で着付けを練習したいという方は、しっかりと理解しておきましょう。
【袷(あわせ)の豆知識】1.着物は季節によって仕立て方が違う
着物の仕立て方は、「袷(あわせ)」「単衣(ひとえ)」「薄物(うすもの)」の3種類です。ここでは3種それぞれの特徴と、着る季節について見ていきましょう。
季節に合った仕立ての着物を選ぶことは、着物を着用する際のマナーのひとつです。しっかりと押さえて、着物を楽しく、美しく着こなしましょう。
「袷(あわせ)」の着物は10月~5月
袷の着物を着る季節は、主に10月~5月頃。袷は裏地を付けて仕立てられるため、風を通しにくく、肌寒い時期に向いています。透け感がないことから、見た目にも肌寒い時期に適した着物であることが感じられます。
裏地が付いていることで生地のハリ感が増し、高級感も出やすいのが袷の特徴です。お祝いの席などでは、シーズンを問わず用いられることもあります。
「紗袷(しゃあわせ)」と呼ばれる着物もありますが、こちらは袷とは別物です。紗袷は薄い2枚の生地で仕立てられている着物で、着用時期も異なるため、間違って購入しないようにしましょう。
「単衣(ひとえ)」の着物は6月や9月
単衣の着物を着るのは6月や9月頃の比較的短い時期です。
単衣の着物は裏地なしで仕立てられるため袷よりも通気性がよく、薄物よりは生地感がしっかりとしています。そのため、暑過ぎず寒過ぎずといった季節の変わり目にぴったりの着物です。
「薄物(うすもの)」の着物は7月~8月
薄物の着物を着るのは、7月~8月といった夏の盛りの時期です。薄物は単衣と同じく裏地がない上、絽(ろ)や紗(しゃ)といった薄手で通気性に優れた生地を使用するため、暑い時期にぴったりの着物といえます。
近年では麻を使った薄物も見かけますが、こちらは普段着です。お祝いの席で着用する場合には選ばないようにしましょう。
季節は目安として考えよう
着物は、季節を感じさせる素材や柄が用いられている、趣のある衣装です。分かりやすく仕立てごとに着用時期を解説しましたが、あくまで目安として考えてよいでしょう。
暦と季節は必ずしも一致しません。例えば、5月であっても夏のように暑い日があります。気候と体調を最優先に考え、着物を楽しみましょう。
【袷(あわせ)の豆知識】2.袷の着物を選ぶ際のポイント
袷(あわせ)は着用できる期間が長く、普段着からセレモニーまで格も着用シーンも異なるさまざまな着物に採用されている仕立て方です。
季節やシーンにふさわしい着物選びには、いくつかのポイントがあります。ポイントを押さえた着物選びで、魅力的な着物姿をより一層センスよく仕上げましょう。
四季を意識した色柄でおしゃれに
着物を選ぶ際、仕立て方だけでなく色柄にも四季を意識できると、こなれ感をアピールできます。ちなみに季節を色柄に取り入れるときには、実際の季節を少し先取りするのが基本といわれています。
春であれば、桃や桜柄を着るのは、春先の桜が咲く前までです。咲き始めたなら藤色や緑色といった別の春らしいカラーに切り替えます。さらに夏が近づいてきたら、水色をはじめとした清涼感のあるカラーに切り替えるといった具合です。
裏地の八掛けの色を意識して粋に
袷の着物の袖口や裾に縫い付けられた裏地を「八掛(はっかけ)」と呼びます。八掛は着物の袖口や裾からチラリと見える部分です。
八掛の色が異なるだけで着物の雰囲気はガラリと変わるため、着物そのものの色だけでなく、八掛の色にまで目を配って選ぶと◎。
八掛を鮮やかなカラーにするとかわいらしさや若さを強調でき、落ち着いたカラーにすると大人っぽく品よく見える傾向にあります。
紗袷(しゃあわせ)の着物との違い
紗袷(しゃあわせ)の着物は、2枚仕立てになっているため、袷(あわせ)という文字が使われています。しかし、素材は薄物の着物に使われる絽や紗です。袷に比べると透け感があり着心地も涼しいため、6月や9月といった単衣の時期に着ます。
元来は初夏の限られた期間に着る着物です。仕立ての難しさから値が張る商品が多いため、高級品といったイメージの強い着物でもあります。
長襦袢(ながじゅばん)の選び方
長襦袢(ながじゅばん)は、着物のためのインナーです。インナーとはいえ袖口や裾からはやや見えてしまう上に、素材もさまざま。着物を購入する際には長襦袢選びにもこだわることで、快適さだけでなく着物姿の完成度も上がります。
袷の下に着る長襦袢の素材は、正絹、毛織物といった保温性の高いものがおすすめです。普段着として着るのであれば、ポリエステルもよいでしょう。
色柄は着物やシーンに合わせて選びます。厳かなシーンであれば調和しやすいシンプルで品のよいものを選び、華やかな場であれば鮮やかな色柄入りのものを選ぶなど、TPOに合わせるとステキに着こなせますよ。
帯の選び方
帯も着物と同様、四季やTPOに合わせて種類を選ぶことが大切です。
帯は主に「袋帯」「名古屋帯」「半幅帯」の3種類に分かれますが、このうちフォーマルな場に適しているのは、袋帯です。お祝いの席で着物を着用するのであれば、袋帯がよいでしょう。
ちょっとしたお出かけであれば名古屋帯、普段着なら半幅帯がおすすめです。
【合わせの豆知識】1.似たような着物用語を整理
着物を着付ける際の「合わせ」または「前合わせ」は、普段なかなか聞くことのない着物用語です。着物用語の中には、他にも聞きなじみのない言葉が数多くあります。
ここでは「合わせ」と関連のある着物用語を解説します。意味を比較しながら確認してみましょう。
前合わせ
着物の「前合わせ」は、左右の前身ごろを重ねる着付けの手順を表す用語です。前合わせは男性・女性ともに同じ手順、つまり着物を身につける本人から見て右側の前身ごろを先に身体に巻き付け、次に左側の前身ごろを重ねるという順番で着付けます。
着物姿のポイントはえり元と帯といっても過言ではありません。正しく前合わせができていれば、すぐに目がいくえり元は「y」の形状になっているはずです。自分で着付ける場合には「右→左」の順番を間違えないように注意しましょう。
えり合わせ
「前合わせ」と似た言葉に「えり合わせ」という言葉もあります。ほとんど同じ意味で使われているケースも多く見られますが、「えり合わせ」は前身ごろではなく、えり元の合わせ方に注目した着付け用語です。
えり合わせには、えり元の「V」の角度、着物のえりの上部に見える長襦袢のえりの幅などがポイントになります。
着物の格や着る方の年齢、体形などに合わせてえり合わせを変えることで、ワンランク上の着付けになり、雰囲気も大きく変わるのが特徴です。
上前・下前
前合わせについて語る際には、「上前(うわまえ)」「下前(したまえ)」という言葉が使われます。この「前」というのは前身ごろのことを表すため、「上前」は前合わせをして上にくる前身ごろ、「下前」は下になる前身ごろという意味です。
前合わせは「右側の前身ごろ→左側の前身ごろ」の順番で重ねるため、先に身体に巻き付ける右側の前身ごろが「下前」、つまり下になります。次に重ねる左側の前身ごろは上にくるため「上前」というわけです。
右前・左前
前合わせでは「右前」「左前」という言葉も使われます。少しややこしいのですが、ここで「前」が意味するものは前身ごろのことではなく、「先に合わせる」ということです。
右を先に合わせる、つまり右側の前身ごろを先に身体に巻き付ける「右→左」の順番で着付けた前合わせが「右前」のことです。通常、前合わせは「右前」で着付けます。
反対に左側の前身ごろを先に合わせる「左→右」の順番で着付けると「左前」となります。
【合わせの豆知識】2.前合わせを間違えないためには?
着物用語を確認していく中で、似たような言葉にかえって混乱してしまったという方もいるかもしれません。特に間違えが多いのが、「前」が含まれる着物用語です。
実際、「右前」という言葉の響きから右側を手前(上側)に合わせると勘違いし、「左前」に着付けてしまった、というのはよくある失敗です。前合わせを間違えないためのコツを押さえておきましょう。
相手から見てえり元が「y」になっている
「右前でも左前でも、大した違いはないだろう」と思う方もいるかもしれませんが、実は、「左前」は亡くなった方に着物を着付ける場合の前合わせのやり方です。
死に装束をイメージさせる着付け方になるため、左前を避けるのが着付けの基本とされています。
きちんと「右前」になっているかどうかを確認するポイントは、えり元にできる「y」の文字です。「右前」つまり自分から見て「右→左」の順番で着付けると、他の方が見たとき、えり元に「y」ができます。
着物の柄が多く描かれているほうを上にする
着物は右前で着付けることを前提に仕立てられています。右前に着付けると、右側の前身ごろの大部分は左側の前身ごろの下に隠れてしまうため、柄はあまり見えません。そのため、特に前身ごろの裾部分は、左柄の前身ごろを中心に柄が配置されています。
きちんと右前で着付けられると、裾の絵柄がきれいに見えます。前合わせで迷ったときには、裾の絵柄がきれいに見えているかどうかを確認してみましょう。
特別なシーンはプロに任せても◎
浴衣や普段着で着付けの仕方を練習しているという方でも、成人式のような特別なシーンではプロに着付けを依頼することを選択肢に入れておくと◎。
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成人式では華やかでバラエティー豊かな帯の結び方にも注目が集まります。着付けのプロは帯の結び方にも精通しているため、着物の雰囲気や着用シーンに合わせた帯結びで華やかさを添えてくれますよ。
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まとめ
混乱しやすい着物用語に2つの「あわせ」があります。「袷(あわせ)」は着物の仕立て方を表す言葉で、成人式の振袖にも使われる、裏地付きの着物のことです。
「合わせ(あわせ)」は着付けの手順のことで、「前合わせ」とも呼ばれます。前合わせは、右の前身ごろから身体に巻き付ける「右前」にするのが通常の着付け方です。
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