その1
摂りたい食品、控えたい食品
妊娠中、お母さんが食べたものが、赤ちゃんの身体や神経系などの細胞を作っていきます。そこで、摂りたい食品、控えたい食品などのポイントを抑えて、量は摂りすぎず、バランス良い食事を心がけましょう。
●摂りたい栄養素と主な食品
・タンパク質
赤ちゃんに栄養や酸素を送るために必要な血液は、タンパク質からできています。良質なタンパク質を含む大豆、大豆製品、お肉、お魚、卵、乳製品をしっかり摂りましょう。
・葉酸
特に妊娠前1ヶ月から妊娠3ヶ月くらいまで、赤ちゃんの発育に不可欠な栄養素です。アスパラ、ほうれん草、ブロッコリー、モロヘイヤ、カボチャ、枝豆などの緑黄色野菜に含まれています。水に溶けやすく熱に弱いので、蒸すなどの調理法がおすすめです。
・鉄分
妊娠中は血液量が増えるため、貧血になりやすくなります。赤身のお肉やお魚などの動物性の食品に含まれるヘム鉄と、ほうれん草、小松菜などの青菜類、納豆などの大豆製品、アサリやシジミなどに含まれる非ヘム鉄を意識して摂りましょう。ビタミンCを含むブロッコリーなどの野菜や果物、タンパク質と一緒に摂取すると吸収力がアップします。
・カルシウム
赤ちゃんの骨や歯を作るために必要な栄養素です。乳製品、緑黄色野菜、大豆、大豆製品、小魚、アーモンドに豊富に含まれています。
●量に気を付けて摂取したい成分と主な食品
・ビタミンA
赤ちゃんの成長促進に大事な栄養ですが、動物性ビタミンAが多いレバー、うなぎは摂りすぎに注意しましょう。
・水銀
食物連鎖により大きな魚に溜まりやすいと言われています。マグロ、カジキ、サワラなどの大きめの魚は1週間に1回80g程度までを目安に摂取しましょう。
・ヒ素
ひじきは、食物繊維が多く含まれますが、ヒ素が含まれるため摂りすぎに注意してください。5g程度を1週間に2回、ひじきの煮物小鉢なら週1杯程度なら差し支えありません。
・カフェイン
鉄分の吸収を妨げるため、コーヒーは1日1.2杯程度、紅茶は1日2.3杯程度、緑茶は1日3.4杯程度に控えた方がいいでしょう。カフェインレス飲料などがおすすめです。
●控えたい食品・嗜好品
・生もの
妊娠中はホルモンの影響で消化機能や免疫機能が低下しやすいので、加熱処理が不十分な生魚(タタキなどの半生のもの)や生卵、ナチュラルチーズなどは控えましょう。
・タバコとアルコール
喫煙、受動喫煙、飲酒は、赤ちゃんの発育に影響を与えます。お母さん自身が禁煙に努めるだけでなく、喫煙中の家族、旦那さんは、赤ちゃんのためにも禁煙を心がけてください。
監修:記野絵美(助産師、看護師)
看護専門学校助産師学科卒業。総合病院、産婦人科クリニックで勤務後、公益社団法人桶谷式母乳育児推進協会桶谷式乳房管理士の資格を取得し、郡山里の母乳相談室桶谷式代表を務める。