ママのミカタPROJECT

その4
体重コントロール

体重コントロール

妊娠すると、赤ちゃん、胎盤、羊水の重さ、全身の血液量や脂肪の増加により、出産するころには、およそ8キロは増えると言われています。2021年の3月に日本産婦人科学会から、従来の基準より下限値が、2〜3kgずつ引き上げられ、「もともとやせているか標準体形の妊婦は、これまでより体重を増やしても構わない」というように修正されました。妊娠中、体重が増え過ぎるとお母さんの身体や赤ちゃんに害を及ぼすリスクが高まりますが、逆に体重が増えなさすぎるのも赤ちゃんにリスクがあります。理想の増加量は妊娠前の体格によって異なります。適正な体重増加を知って、健康的に過ごすためのポイントをお伝えします。

体重が増えすぎると何が問題?
妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病のリスクが高まります。血圧や血糖値が上がりすぎてお母さんの身体を危険な状況になるリスクが高まるだけでなく、胎盤機能を低下させ、赤ちゃんの成長や命が危険にさらされることになり、大変怖い状況となります。膝や腰に痛みが出やすくなります。赤ちゃんが大きくなりすぎてしまい、さらには、産道に脂肪が付くため、お産の時、赤ちゃんが下がりにくくなるだけでなく、子宮筋の収縮がうまくいかず、陣痛が長引いたり、産後出血が増えるリスクが高まります。

体重が増えなさすぎると何が問題?
貧血や切迫早産、早産のリスクも高まり、赤ちゃんが小さく産まれることがあります。赤ちゃんが成人後に高血圧や糖尿病などの成人病になる可能も高くなります。

自分の適正な体重増加は?
妊娠前の自分の体格が、どの区分に入るのか、どれくらい体重が増えるとよいのかを知っておく必要があります。以下の式に妊娠前の体重と身長を当てはめてみると、望ましい体重増加量の目安が分かります。

BMI(Body Mass Index)=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

健康的に過ごすためのポイント
〇めりはりをつけて、規則正しい生活。
〇よく噛んで、食べすぎないように食べる。
〇夜遅くには食べない。
〇糖質脂質の摂りすぎに注意する。
〇酸味や辛味で工夫して、塩分を摂りすぎない。
〇3食食べるようにして、ダラダラと食べ続けたり、間食は控える。(ただし、つわりの時期や体重が増えにくい場合は、1回の食事を少量にして5回程度に食べやすい量を摂る)
〇切迫早産の兆候がなければ、適度な運動をこころがける。
〇毎日体重を計るようにして、体重を意識する。
〇妊娠中期(16週頃)から出産までの1週間の体重増加は300g〜500g以内にする。

産まれる前のお母さんの体の状態から赤ちゃんは影響を受けるということがわかっています。妊娠中はもちろん、妊娠前からバランスのよい食事をしっかりとりましょう。

望ましい体重増加量の目安

監修:記野絵美(助産師、看護師)

看護専門学校助産師学科卒業。総合病院、産婦人科クリニックで勤務後、公益社団法人桶谷式母乳育児推進協会桶谷式乳房管理士の資格を取得し、郡山里の母乳相談室桶谷式代表を務める。

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