その5
ともだちとの関わり
ともだちとの関わりは、家族以外の人との人間関係を学び、社会性と育んでいくうえで大切なものです。そのため、うちの子は、ともだちができるかな、ともだちと関わることがうまくできるかな、などと心配や不安に思うことがあります。成長発達にともなってできることが増えていき、ともだちとの関わり方もどんどん変わっていきます。個人差はありますが、発達段階に合わせたともだちとの関わり方のポイントをお伝えします。
0歳 ―他者がいることを認識していく時期―
ともだちとの直接的な関わり方というよりも、ともだちの動きや親が他の親子との会話をしている様子などを見て、自分以外の他者がいることを認識していく時期になります。まずは、親子での関わり方が赤ちゃんの人格形成の基盤となる大切な時期です。赤ちゃんの欲求に合わせてたくさん抱っこして、笑顔で優しく応えてあげることで、人を信頼できる気持ちを育んでいきます。また、身体の発達では、欲しいものを目でみつけられるようになり、手が届くようになります。手で持てるようになると、お口に持っていって感触を楽しんで感覚をやしなう時期になります。安全に過ごせるように見守りましょう。また、ともだちに関われる公園や子育て支援センターなどに行ってみると、同じ時期くらいの親子やスタッフとの会話などの関わりで息抜きができ、子育て情報を得られる機会があるかもしれません。
1、2歳頃 ―お互いに刺激しあう時期―
おもしろいものを見つける探求心で行動し、ともだちが楽しそうにしているのを見たり、真似したりします。ともだちと同じ空間でそれぞれが好きなように楽しんでいても、お互いに刺激を与えあいます。行動範囲も広がるので、ともだちの様子をみて、同じことをしたり、追いかけたりなど、遊ぶ様子も見えてきます。また、言葉の数が少しずつ増えていきますが、ともだちと言葉のコミュニケーションでやりとりするのは、まだ難しい時期です。ともだちの持っているものがおもしろそうで欲しいなど、自分の欲求も強くでてきます。まだまだともだちとの関わり方がわからず、イヤイヤ期もあいまって、おもちゃをとったり、たたいてしまったりすることもあるかもしれません。ケガをしないように、大人は目を離さずに見守り、サポートしましょう。
3歳 ―相手の都合を理解できるようになる時期―
ともだちと一緒に遊ぶことができるようになってきます。自分中心の欲求からともだちにも都合があることを理解できるようになり、譲ることや、順番を守ることが少しずつできるようになってきます。まだまだ言葉で自分の気持ちを伝えることが難しいので、自分の欲求を強く主張して、譲れないこともあります。そんな時は様子を見ながら、気持ちを確認して、言いたいことを代弁してあげたり、気持ちを切り替えたりできるようにサポートしてあげましょう。また、おままごとなどの役割のある遊びや、おにごっこなどのルール遊びなどができるようになり、ともだちとの遊びの幅が広がる時期です。個性もあるので、すぐともだちの輪に混ざっていける子もいれば、混ざることなく、じっと観察して過ごす子もいます。見て学ぶことも遊びのひとつなので、その子のペースを大切に見守りましょう。
同年代のともだちとの関わりは、成長を促すことにも繋がり、大人との関わりでは見ることのできない、ともだちとの関わりだからこそ見ることのできる行動や表情があります。一緒に楽しみ、見守りましょう。親子の体調に合わせて、無理のない範囲で、近くの公園や地域の支援センターなどのともだちと関われる場所にお出かけしてみましょう。

監修:記野絵美(助産師、看護師)
看護専門学校助産師学科卒業。総合病院、産婦人科クリニックで勤務後、公益社団法人桶谷式母乳育児推進協会桶谷式乳房管理士の資格を取得し、郡山里の母乳相談室桶谷式代表を務める。