ママのミカタPROJECT

その6
これからも良好な親子関係であるために

これからも良好な親子関係であるために

親子関係が良好であるためには、子どもの心と体の成長をあるがままにみとめ、受け入れ、見守っていくことが大切です。そして、子どもが求めることにできるだけ応え、満たしていけるように支えていくことが親の役割と言えます。子どもが求めることとは基本的に5つあります。求めること=欲求=気持ちと言い換えることができます。子どもの気持ちとは何か、また、その気持ちに対して親としてできることは何があるのかについてお伝えします。

生理的なことを満たしたい気持ち(生理的欲求)

まず基本となるのが食事、睡眠、遊びの生理的欲求です。バランスの取れた食事を美味しく楽しく食べて、しっかりと睡眠をとり、昼間は日光を浴びるなど、活動的に体を動かす生活が大切です。規則正しい生活は、体のリズムを整え、健康的な体と心を作ります。

安全でありたい気持ち(安心欲求)

生理的欲求が満たされると、次に安心できる人や物、場所を求めるようになります。これを安心欲求と言います。欲求が満たされない状況や、満足できない状況になると、心の安定をはかろうと、赤ちゃんがえりの行動やいたずらとして表われやすくなります。また、友達とけんかをしたり、対人関係がうまくいかず、ストレスを感じたりすることもあります。子どもが自分の感情を表に出せる環境づくりをしましょう。子どもにたくさん話しかけて、言葉や表情でのコミュニケーションや、抱っこや体を使った遊びなどでスキンシップをたくさんとりましょう。家庭が安全な人や物に囲まれ、心から安心して過ごせる場所であるように環境づくりをすることで、心の安定につながります。

社会的なことを満たしたい気持ち(社会的欲求)

愛情や人との関係性ができ、安心欲求が満たされると、何かに所属したいという欲求が出てきます。これを社会的欲求と言います。社会で認められたいという欲求が生まれます。社会的欲求を満たすには、まず家庭において子どもの話を真剣に聞いてしっかり向き合うことが大切です。忙しい生活の中、仕事などで時間が取れない、家事で慌ただしくしている時に話しかけられるなど、つい聞き流してしまうことがあります。子どもの伝えたい、話したいという気持ちはその時しかないかもしれません。タイミングはとても大切です。できるだけ向き合う時間を作って受け止めるよう話しをしましょう。

承認されたい気持ち(承認欲求)

社会的欲求が満たされてくると、承認欲求が出てきます。所属している社会で、自分に注目を集めたいという欲求です。さらに、他の人と比べることよりも自分の中での自己評価に目を向けるようになり、努力したことや達成したことで、自己肯定感がより高まります。子どもの行動をよく観察して、自分でやろうと頑張っている姿や努力している姿が見られたら、頑張っていることをみとめ、褒めてあげましょう。自分のことが自分でできる、その行動を褒めることや、お手伝いができた時、その行動で助かったと感謝を伝えるなど、子どもの承認欲求の満たされることが繰り返され、そのやりとりを重ねていくことで、自己肯定感がよりいっそう高まっていきます。

自己実現したい気持ち(自己実現欲求)

そして、生活と心が安定してくると、自分の力を精一杯出して、なりたい自分を目指していくという自己実現の欲求につながっていきます。命令、指示され誰かが決めた目標ではなく、自分で考え、自分で目標を決め、何をすればその目標に近づくことができるのか、自分で考え、選び、行動すること、これらを積み重ねていくことで、自分自身や自分らしさを大切に生きていくことができます。自己実現がうまくいかないこともたくさんあります。それでも、いつでも見守っていること、応援していること、味方であることを伝え続けましょう。

今、子どもがどんな欲求がある段階であるか見守り、また、子どもがサポートを必要としている状況であれば、どのような手の差し伸べ方ができるのかを考えて過ごすこと、それを積み重ねることで、良好な関係が築いていけると思います。そして、子どもの欲求だけでなく、自分自身の欲求にも目を向けて、自分自身も大切にしましょう。親が自分を大切にするその姿を子どももみて育つことは、子どもにとってのモデルとなっていきます。子どもとの時間がこれからも笑顔で楽しい日々でありますように。

子どもの5つの気持ちに寄り添う!

監修:記野絵美(助産師、看護師)

看護専門学校助産師学科卒業。総合病院、産婦人科クリニックで勤務後、公益社団法人桶谷式母乳育児推進協会桶谷式乳房管理士の資格を取得し、郡山里の母乳相談室桶谷式代表を務める。

一覧へ戻る