その1
子どものころから知ってほしい!
「プレコンセプションケア」って何?
皆さんは「プレコンセプションケア」という言葉を聞いたことはありますか?
「プレ(Pre)」は、『前に』や『あらかじめ』を意味する英語の接頭語。「コンセプション(Conception)」は、『受胎』という意味で、おなかの中に新しい命を授かることです。つまり「プレコンセプションケア(Pre Conception care)」は、女性やカップルが将来の妊娠を考えながら、自分たちの生活や健康に向き合うことを意味します。
妊娠を計画している女性と生まれてくる赤ちゃんの健康を目指すだけではなく、妊娠や結婚を考えていなくても、自分を管理して健康な生活習慣を身に付けるという意味もあります。人生100年時代を健やかな心身で過ごす、自分らしい人生の実現にもつながります。小さな子どもを持つ家族にもぜひ知っておいて欲しい考え方です。
なぜ今、「プレコンセプションケア」が注目されているのでしょうか。
理由のひとつとして、リスクの高い妊娠が増えていることが挙げられます。近年の日本人女性の中には、痩せていることを美しいと捉え、十分な栄養が不可欠な思春期にダイエットを行うことで、将来の妊娠のリスクを高めている人もいます。さらに、女性の社会進出や晩婚化等により高齢出産も増加しており、胎児と母体へのリスクが高まっています。
プレコンセプションケアを意識することに早すぎることはありません。各年齢で十分な栄養を摂取して健康管理を見直していくことが、妊娠前のリスクを減らし、健やかな妊娠・出産、そして生まれてくる赤ちゃんの健康につながっていきます。
では、具体的にどのようにプレコンセプションケアに取り組めば良いのでしょうか。次回に詳しくご紹介します。
〈出典〉
国立成育医療研究センター
